福島県須賀川市 小野口木管楽器修理工房は、各種木管楽器の修理・調整・メンテナンスを行っています。

ファゴット:ブーツジョイントの腐り除去、LowG#トーンホールの修理

ファゴットのブーツジョイント底部付近の腐食の除去・修復と、腐食したLowG#トーンホールの修理をご紹介します。(写真クリックで拡大表示します)

「低音が出にくい原因が判明した」と、タンポ交換のご依頼でいらっしゃったお客様の楽器です。

症状

腐食で表面がデコボコに波打ったLowG#のトーンホール。黒いカビにも侵されています。
水が溜まりやすいLowG#トーンホールの周辺が腐食し、黒いカビにも侵され、
波打ったように変形しています。表面の塗装も無くなり、ささくれ立っています。
このままではタンポ交換をしても、全くトーンホールを塞ぐ事ができません。
U字管のキャップはスタックし、外れなくなっていました。
(購入後10年目くらいに外れなくなり、以降20年間キャップを外した事が無かったのだそうです・・・)


トーンホールに沿うように波打ったタンポ
このように変形したタンポが、少し前まで
奇跡的にトーンホールを塞いでいたのです。


キャップを取り外してみました。
この緑青がキャップ固着の原因か
ブラケットとキャップの内側はびっしりと緑青がふいていました。
もしや、と思いU字管を取り外してみると…


木ネジが錆びて管体を破損させています
ブラケットを管体に固定する木ネジが錆びて、管体を破損させています。
さらに、ブラケットを外すと…


ブラケットの下はこの様になっていました
この様に底部が酷く腐食していました。
管壁の薄い部分は、まるで朽ち果てた
ウッドデッキのようにスカスカになっていました。
予想以上の状態でした。

腐食の除去と修復

埋め木にするハードメイプル材を旋盤で加工

埋め木のためのハードメイプル材を旋盤で加工します。

埋め木を成形し接着後整形する

欠損した形に埋め木を成形し、接着後整形します。
いきなり出来上がってますが
トーンホールの修復は後述いたします。

内側はこのようになりました

内側はこのようになりました。

トーンホール修復 樹脂チューブ挿入

新しいトーンホールを作り、樹脂チューブを挿入

トーンホール周辺の腐りを除去し、
メイプル材で削り出したトーンホールを接着、
木目の方向を合わせるためには、ちょっとした技術が要ります。
内側には樹脂チューブを挿入しました。

防水のためにチューブを管内にはみ出させる
防水のためにチューブを管内にはみ出させました。
管内にはみ出させた樹脂チューブ
矢印の部分です。

修理完了

修理した跡は全く分かりません。

修理完了です
トーンホールが健康的な木肌になっているのが分かりますでしょうか。

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